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良い姿勢になるためのポイント10

良い姿勢になるためのポイント10個をご紹介します。

まず悪い姿勢とは重力に負けてカラダが上下に潰れている状態です。
重力に負けてしまうと背骨は湾曲し、頭は前方へ、肩は内巻きに、骨盤は後傾し、股関節は開き、膝は曲がり、足の指は浮いてきます。

不良姿勢

このような姿勢にならないためには重力に抗うこと、その方法がエロンゲーションです。

目次

1.エロンゲーション(軸の伸長)

エロンゲーションとは軸の伸長を意味します。骨同士を引っ張って関節の空間を広げます。

軸の伸長

頭頂部を吊られているイメージで上へ引き上げる

頭頂部を吊られているイメージで上へ引き上げます。イスに座りながら頭頂部は上方向へ、坐骨は下方向へ伸ばしてみましょう。お腹がへこみやすくなり体幹に力が入りやすくなります。

エロンゲーション
エロンゲーション

2.舌と歯

舌の位置

喉仏(のどぼとけ)から伸びている舌は、定位置である上あごに根本からベッタリとつけることで「首の前側の柱」の役割をします。
この舌の定位置をスポットといいます。

舌先が上の前歯に接触していると、歯を前へ押し出す力が働くため歯並びに影響が出やすくなります。また、舌が落ちているとストレートネックあご下のたるみなどの原因となります。

上下の歯はつけない

上下の歯はつけないよう隙間を空けておきましょう。

上下の歯が接触してしまう癖のことを歯列接触癖(TCH)と言い、あごの筋肉を常時使っているためエラが張りやすい、側頭部やこめかみ付近の頭痛などにつながります。

3.あご

咀嚼筋

噛む筋肉4つを総称して咀嚼筋と言い、咬筋側頭筋の2つをゆるめることで顎関節が動きやすくなります。

咀嚼筋

あごの動き

下あごを左右・前方へ動かして顎関節の動きを修正します。

あごエクササイズ
あごエクササイズ

下あごは頭蓋骨にぶら下がっている骨ということを意識しましょう。

4.首

胸鎖乳突筋・斜角筋(首の横)

胸鎖乳突筋と斜角筋は、主に首を左右にひねったり傾ける動きに関与します。
呼吸時には肋骨を引き上げる働きもあるため、これらの筋肉が硬いままだと浅い呼吸になり、自律神経の不調にも影響します。

この2つの筋肉をクリームや乳液などを利用しながらマッサージでゆるめます。

胸鎖乳突筋・斜角筋

首の動き

3つある動きの軸をそれぞれ修正していきます。

チンイン(chin-in)

チン(chin)とはあごのことです。インとは、後方に引くことを意味します。

  • あごを後方へ引いて3秒キープ
チンイン
  • チンインしながら上を向く
上を向く
  • チンインに戻る
チンインに戻る

5.肩・胸・腕

肩の位置

肩は前方向または上方向へズレやすい構造です。

肩をすくめるクセや巻き肩などで肩の位置が適切でない場合、関節の軸がズレて四十肩など肩のトラブルにつながりやすくなります。

肩をすくめるクセを下げて脇を締めることで前鋸筋が働いて肩を安定させることができます。

大胸筋・小胸筋(肩の前)

肩の前ローラー

巻き肩の原因になる大胸筋・小胸筋をフォームローラーでゆるめてからストレッチします。

がすくまないように注意しましょう。

大胸筋ローラー
大胸筋

肩の前ストレッチ

胸ストレッチ
胸ストレッチ

前腕(肘から先)

前腕が硬くなると上腕が内方向へ捻られるので内巻きになり、巻肩・猫背になってしまうのでストレッチでゆるめます。

肘から先のストレッチ

両膝をついて指先を自分の方へ向けます。指の腹から手のひら全体を床につけることで前腕の屈筋群をストレッチできます。
このストレッチも肩がすくまないように注意しましょう。

前腕ストレッチ

6.背中と胸郭

背中と胸郭の柔軟性は適切な呼吸に必要です。

また、背中と胸郭の可動性が悪くなると首の仕事量が増えてしまうため、肩こりにつながります。

広背筋(背中)

背中のストレッチ

広背筋も上腕を内方向へひねる働きがあるため、巻き肩や猫背に大きく影響します。
ストレッチでゆるめます。

広背筋ストレッチ
広背筋ストレッチ
広背筋ストレッチ

肋骨・胸郭(体幹上部)

肋骨は胸郭の大半を形成しており、呼吸の際には前方・後方・側方・上方へと広がります。柔軟性の低下でうまく広がらない場合、横隔膜の動きが制限されたり、代わりに首の筋肉が働いてしまうなどの弊害が出ます。

体幹上部のストレッチ(横倒し)

まず側面を伸ばすストレッチです。
あぐらで座り、片手は床、片手は後頭部へ。
肩をすくめないように下げ、床を押し、お尻が浮かないようにしながら側方へ上半身を傾けていきます。

肋骨ストレッチ

次に、両手を膝に置いて肩を膝につけにいきます。

背中ストレッチ

7.もも

前もも(大腿四頭筋)

大腿四頭筋の硬さは不良姿勢を生み出します。

そこでストレッチをしたいところですが、滑走性が低下していると適切なストレッチをすることができません。
そのため、ストレッチの前にフォームローラーで動きやすい状態にします。

前ももローラー

大腿四頭筋ほぐしかた
大腿四頭筋ほぐしかた

前ももストレッチ(ソフト)

動ける状態になったところでストレッチをおこないます。
大腿四頭筋のストレッチで重要なことは腰を反らせないことです。前ももを伸ばしつつ背中を少し丸めることで大腿四頭筋にテンションがかかるようになります。

大腿四頭筋ストレッチ
大腿四頭筋ストレッチ
大腿四頭筋ストレッチ

前ももストレッチ(ハード)

大腿四頭筋ストレッチ
大腿四頭筋ストレッチ
大腿四頭筋ストレッチ
大腿四頭筋ストレッチ

内もも(内転筋群)

内ももが硬いと股関節が開きにくいため、あぐらがうまくできません。前ももと同じく、フォームローラーでゆるめてからストレッチをします。

内ももローラー

内転筋のほぐしかた
内転筋のほぐしかた

内ももストレッチ ①

カエル脚+開脚で手をつき、骨盤を前傾させます。

内転筋ストレッチ

骨盤の前傾をキープしながら後方へ引きます。

内転筋ストレッチ

内ももストレッチ ②

カエル脚で手をつき、骨盤を前傾させます。

内転筋ストレッチ

骨盤の前傾をキープしながら後方へ引きます。

内転筋ストレッチ

外もも

外ももの硬さは股関節の硬さに影響しますので、脇腹ごとストレッチします。

大腿筋膜張筋

8.股関節

小殿筋・大腿筋膜張筋(股関節の前外)

股関節の前外側に位置する小殿筋・大腿筋膜張筋は、大腿骨を外方向前方向内ひねりへと引っ張ってしまい、ももが太くなるX脚反り腰など多くの不良姿勢の原因となります。

股関節の前外ローラー

構造上ストレッチしにくい筋肉のため、フォームローラーでゆるめます。

小殿筋と大腿筋膜張筋のほぐしかた
小殿筋と大腿筋膜張筋のほぐしかた

股関節の前(腸腰筋)

股関節の前ストレッチ

片膝立ちで、骨盤を前方へスライドさせて背中を少し丸め、後ろ脚に荷重します。

太ももストレッチ
太ももストレッチ
太ももストレッチ

股関節の後ろ(外旋筋群)

座っている姿勢が多いとお尻が硬くなり、O脚や股関節の詰まり感などの影響が出るため、外旋筋群をストレッチします。

股関節の後ろストレッチ

イスに座り、片脚を反対の脚に乗せ、すね同士で直角をつくります。
上半身のエロンゲーションをキープしながら、股関節を軸にして前傾します。

梨状筋周辺ストレッチ
梨状筋周辺ストレッチ
梨状筋周辺ストレッチ

9.呼吸

ここまでやってきたことは、適切な呼吸ができるようにするためです。
適切な呼吸とは、横隔膜の運動です。

横隔膜

呼吸では吸うときに横隔膜が下がり吐くときに横隔膜が上がります

  • 吸う:横隔膜が下がる→胸腔内が陰圧になる→肺に空気が入る
  • 吐く:横隔膜が上がる→胸腔内が陽圧になる→肺から空気が出る
呼吸と横隔膜

腹式呼吸

横隔膜を働かせて呼吸するには、息を吐き切ることが重要です。
息を吐いてもっと吐いていくとお腹が凹んできます。ここまでくると、横隔膜に加えて腹横筋・外腹斜筋も機能し、体幹が強化されます。
さらに1cc残らず吐き出していこうとすると骨盤底筋群がはたらき始め、トイレを我慢しているような感覚が表れます。産後の骨盤トレーニングに使われる呼吸エクササイズです。

ドローイン

このような呼吸のトレーニングをすることで体幹が安定し、肋骨が本来のポジションである骨盤の真上にくるようになります。

10.足首・親指

歩く際、地面を蹴る力を全身へ効率的に伝えていくためには足の親指に荷重することが必要です。親指に荷重できていないと足首がねじれてしまい、そのバランスをとるためにねじれの連鎖が起きて股関節も骨盤も歪んでしまいます。

足首をまっすぐ伸ばす

まずは荷重せずに動きの確認をします。脚を伸ばして座り、足首を動かしてみましょう。
内側にひねりが入らないように伸ばします。

足関節伸展
足関節伸展

足首の動き修正(爪先立ち)

次に爪先立ちで親指に荷重します。踵をまっすぐ引き上げること、最大まで上げることがポイントです。

爪先立ち

まとめ

9つのポイントを紹介しましたが、猫背もストレートネックも巻き肩も反り腰もO脚もX脚も、人体は繋がって連鎖しながらバランスをとっていますので姿勢を修正するためにやるべきことは同じです。

硬い部分を動きやすい状態にゆるめて、縮んだ筋肉を本来の長さに戻し、動き方を修正。

ゆるめて、伸ばして、動かして、修正しましょう。

目次