股関節に詰まり感や痛みがある場合、4つのパターンが考えられます。
詰まる場所のチェックとそれぞれの原因
仰向けになり、もも上げをして手で膝を抱えてみましょう。
股関節のどこに詰まり感があるのか、場所のチェックです。

膝を胸にまっすぐ引きつけられれば問題ありません。膝が胸につくまで曲がる必要はありませんが、ここでは「詰まり感があるかどうか」「詰まり感をどこに感じるか」を確認しましょう。

①前が詰まる
②前の外側が詰まる
③内側が詰まる
④骨同士がぶつかる感触
1.前が詰まる原因は梨状筋・大腿四頭筋・縫工筋
おしりの奥にある梨状筋が硬いと、もも上げ動作時に本来現れる「骨頭の後方滑り」という動きができずに大腿骨が前方へ押し出され、骨同士がぶつかってしまう「インピンジメント(衝突)」が発生します。これを「股関節前方インピンジメント」と言います。

前が詰まるもう1つの原因は、太ももの前にある大腿四頭筋・縫工筋が硬いことで、大腿骨が前方へ引き出されてしまうため前側の詰まりが出ます。
また、筋肉がうまく縮むことができないことも詰まりの原因です。
2.前の外側が詰まる原因は小殿筋・大腿筋膜張筋
股関節の前外側面に付着する小殿筋・大腿筋膜張筋が硬いと、大腿骨が内ひねりとなるため前外側が詰まってしまいます。
3.内側が詰まる原因は内転筋群
股関節の内側にある内転筋群が硬いと、筋肉がうまく縮むことができないため内側に詰まりを感じます。
4.骨同士がぶつかる原因は骨の変形の疑い
詰まり感というよりも骨同士がぶつかるような固い感触の場合、骨の変形が疑われますので整形外科の受診をおすすめします。
硬くなった筋肉をほぐす→伸ばすの順でアプローチ
筋肉が硬い状態でストレッチをしても適切に行うことができません。
硬い部分は皮膚・脂肪・筋肉の滑走性が低下しているので、いきなりストレッチをすると柔軟性のある部分ばかり伸びてしまい、硬い部分を狙って伸ばすことが難しいためです。
そのためまずはフォームローラー・マッサージガン・マッサージなどで硬い部分をほぐします。
ほぐしてからストレッチで筋肉を伸ばします。
1.梨状筋・大腿四頭筋・縫工筋
梨状筋はおしりの奥にあるので「膝曲げ足四の字」体勢でフォームローラーを使用。
梨状筋フォームローラー


梨状筋周辺ストレッチ



大腿四頭筋と縫工筋フォームローラー


大腿四頭筋ストレッチ
縫工筋のストレッチは後ほど内転筋とセットでおこないます。




2.小殿筋・大腿筋膜張筋

小殿筋・大腿筋膜張筋フォームローラー
小殿筋・大腿筋膜張筋は股関節の前外方に付着しているので、うつぶせ横向きの中間の体勢をとる。


大腿筋膜張筋ストレッチ

3.内転筋群

内転筋群フォームローラー
内転筋群は内側なのでうつぶせ体勢。


内転筋群ストレッチ


縫工筋ストレッチ

内転筋ストレッチのスタート体勢から足を一歩前へ位置を変え、つま先の方向も30°前方へ向けます。


まとめ
1.前側:梨状筋・大腿四頭筋・縫工筋
2.前外側:小殿筋・大腿筋膜張筋
3.内側:内転筋群
4.変形性股関節症
1-3は「ほぐす」→「伸ばす」の順でケア、4は整形外科の受診を推奨