反り腰とは、骨盤が前に傾きすぎているために腰が必要以上に反っている姿勢のことです。
反り腰の特徴
1.骨盤が前傾し腰椎の前弯が強まった姿勢

2.骨盤を中心に硬い筋肉と弱い筋肉が交差状
骨盤周りの筋肉に「硬い部分」と「弱い部分」ができることで、姿勢のバランスが崩れます。
- 硬くなる筋肉(背中・太ももの前側・お腹の奥)
- 弱くなる筋肉(お尻・お腹・太ももの裏側)
- 硬い筋肉(脊柱起立筋・腸腰筋・大腿直筋・大腿筋膜張筋・股関節内転筋群)
- 弱い筋肉(大殿筋・腹筋群・ハムストリングス)

3.猫背やX脚など不良姿勢を伴う
- 骨盤が前傾しているので姿勢連鎖により猫背を呈す
- 股関節が内旋しX脚・XO脚も伴う
- 膝が過伸展・扁平足・外反母趾・巻き爪も誘発
反り腰の大きな原因は胸郭
胸郭(きょうかく)は、胸の骨や肋骨でできた部分です。ここが硬くなると、姿勢が崩れて反り腰につながります。
胸郭は胸椎・胸骨・肋骨で構成されています。

1.胸郭が硬いと肋骨下部が開く
本来の呼吸では吸気時に胸郭全体が風船のように膨らみますが、胸郭が硬いと肋骨の下側が働きすぎて開いてしまいます。

2.肋骨の下側が開くと胸郭が後ろに傾く
肋骨下部が開くと、胸郭全体が後傾します。

3.胸郭が後ろに傾くと骨盤と頭が前に傾く
胸郭全体が後傾すると、打ち消すため骨盤と頭部が前傾します。

3.骨盤が前に傾くと反り腰になる
腰椎の湾曲が増強して反り腰になり、頚椎の湾曲も減少して猫背とストレートネックになります。

反り腰が引き起こす姿勢の連鎖
1.骨盤が前に傾くと大腿骨が内にねじれる
骨盤が前傾すると大腿骨が内捻りになります。
また、膝が過伸展するので前もも(大腿四頭筋や大腿筋膜張筋)が硬くなります。
3.大腿骨が内ねじりになるとX脚・XO脚になる
大腿骨が内捻りになると膝が内向き(ニーイン)になります(X脚・XO脚)。
また、膝の内側に荷重がかかって骨同士が接触し変形性膝関節症につながりやすくなります。
4.X脚になると扁平足になる
X脚・XO脚になると土踏まずがつぶされて扁平足になります。
5.扁平足になると外反母趾や巻き爪になる
扁平足になると母趾に荷重できなくなるため外反母趾や巻き爪を誘発します。
反り腰を直すには胸郭を柔らかくすることから
胸郭のセルフマッサージ
まずは肋間筋をセルフマッサージします。肋骨の間に膜状に付着する筋肉をゆるめて動きやすくします。
胸と背中のストレッチ
胸郭の前側をゆるめたら胸のストレッチ・背中のストレッチをおこないます。
反り腰を改善するには、骨盤だけでなく「胸郭」の柔らかさがポイントです!日々のケアで正しい姿勢を目指しましょう!