スウェイバック姿勢とは
骨盤が前方へ移動し、のけぞった状態を「スウェイバック姿勢」といい、日本人の70%以上がこの姿勢と言われています。バランスをとるため猫背やストレートネックなど代償姿勢も伴うことが多い姿勢です。
スウェイバック姿勢の特徴
スウェイバック姿勢と呼ばれるこの姿勢の特徴は、骨盤が後傾し、かつ前方へスライドしていることです。
また、肋骨も後傾しているため胸椎と腰椎の移行部の湾曲が強まります。
- 日本人の70%以上がこの姿勢
- 骨盤が後傾している
- 骨盤が前方へスライドしている
- 肋骨も後傾している
- 骨盤が肋骨より前へ出ている(リブフレア)
- 腹筋が弱いためお腹が出る
- 太ももの表側がガチガチに硬い
スウェイバック姿勢の影響
スウェイバック姿勢は、身体にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。まず第一に、背骨の湾曲が正常でないため、脊椎の負担が増加し、慢性的な背中や首の痛みが引き起こされる可能性があります。さらに、内臓の位置にも影響を及ぼし、消化や呼吸に問題を引き起こすことがあります。
また、スウェイバック姿勢は見た目にも影響を及ぼします。肩が前に出るために、胸郭が圧迫され、胸部が狭くなることがあります。これにより、自信を喪失し、体のバランスが崩れた印象を与えることがあります。
スウェイバック姿勢の原因
一番の原因は「楽な立ち方に依存していること」です。筋力を使わないため、次のことが起きています。
- 重心が本来の位置より前にある
- 大腿四頭筋の柔軟性低下
- 適切な呼吸をできていない
1.重心が本来の位置より前にある
指の付け根あたりに重心があるため、バランスをとるために骨盤が前へ出てしまっています。浮き足趾や足裏のタコなども多く見られます。
2.大腿四頭筋の柔軟性低下
膝を伸ばしきっているため、前もも(大腿四頭筋)が硬くなっています。
3.適切な呼吸をできていない
スウェイバック姿勢をなおすための3つのポイント
1.重心線を垂直にする
重心が前、脛骨が前に倒れ、大腿骨が後ろへ倒れている状態を修正します。
- 重心を内くるぶしの下(靴ひもの結び目の下)へ
- ひざを後方へ引いてくるぶしの直線上へ
- ひざは脱力し伸ばしきらない
- 足の指をそっと床に下ろす
ひざの脱力が困難で「重心線を垂直にする」ができない場合、大腿四頭筋が硬すぎて姿勢のエラーが出ています。ほぐし+ストレッチで脱力しやすい状態にします。
2.まずはフォームローラーでほぐす
ストレッチの前の準備体操です。
筋肉の滑走性を上げるためフォームローラーで筋肉をほぐします。
滑走性の向上が目的なので、マッサージガンなどでもOKです。
2.大腿四頭筋(前もも)をストレッチ
ローラーで筋肉がゆるみやすくなり、ストレッチの準備をしてからストレッチします。
- 片ひざ立ちで足首を持つ
- 腰と背中をまるめる
- 腰と背中は反らせない
- すねは垂直
大腿四頭筋をゆるめた状態でもう一度立ってみましょう。
ひざを脱力しやすくなっていればOKです。
3.腹式呼吸で腹斜筋を働かせる
お腹をへこませるドローインの練習です。
腹式呼吸によって腹斜筋・腹横筋・横隔膜を働かせ、特に息を吐ききる「強制呼気」の段階が腹斜筋のエクササイズになります。
- 仰向けでひざを立て、へそに手を置く
- 鼻から吸いながらお腹をふくらませる
- 口から吐きながらお腹をへこませる(限界までへこませる)
- 息を「限界まで吐き切る」ことで外腹斜筋を使う
- おへそにおいた手で腹部のふくらみ・へこみを確認しながらおこなう
まとめ
- スウェイバック姿勢は骨盤が前へスライドし重心線がまっすぐになっていない
- 原因は太ももの柔軟性低下・腹筋をうまく使えていないこと
- 普段意識すべきは重心は内くるぶしの下、ひざは脱力
- 前もものストレッチと腹式呼吸がポイント