四十肩・五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩の関節がスムーズに動かなくなり、痛みや運動制限が生じる症状です。一般的には40〜50代に多く見られますが、実際には20代や70代でも発症することがあります。肩が40〜50度までしか上がらなくなることから「四十肩・五十肩」と呼ばれるようになりました。ここでは、わかりやすく「四十肩」と表記します。
四十肩かも?と思ったらまず医療機関へ
四十肩の症状は、石灰沈着や肩板断裂などの病気と似ているため、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。四十肩は自然に治ることもありますが、放置すると「凍結肩(フローズンショルダー)」に悪化することがあります。その場合、医療機関での治療と整体を併用するのが効果的です。
四十肩の主な症状
四十肩には、以下の3つの特徴的な症状があります。
1. 運動時の痛み(肩を動かすと痛む)
2. 夜間痛(寝ている間に肩が痛む)
3. 可動域の制限(腕が上がらない、後ろに回せない)

四十肩の原因
1. 前鋸筋(ぜんきょきん)の機能低下
前鋸筋は、肩甲骨と肋骨をつなぎ、肩の動きを安定させる重要な筋肉です。この筋肉がしっかり機能しないと、肩の関節が不安定になり、動かすたびに負担がかかりやすくなります。例えば、
- 脇を締める動作
- 手を使って立ち上がる動作
- 肘をついて上半身を支える姿勢
このような動作のクセがあると、前鋸筋がうまく働かず、四十肩の原因になることがあります。
膝や腰の痛みなどをかばって手に体重をかけて立ち上がろうとする際、前鋸筋が使われないことで四十肩を誘発することがあります。
2. 肩の可動域を使わない生活
普段から肩をしっかり動かさないと、可動域が少しずつ狭くなります。例えば、ラジオ体操第一の「腕を前から上に上げて伸びをする運動」で、腕が耳の横までしっかり上がるのが理想的な状態です。この動きができない場合、肩の柔軟性が低下している可能性があります。
四十肩のチェック方法
肩の動きや痛みの程度を確認するには、以下の3つのポジションをチェックします。

1stポジション(小さく前へならえ)
肩を前に出した状態で、腕を内側・外側にひねって痛みや可動域を確認します。
痛み・可動域制限の出た動き | 制限因子となる筋肉 |
---|---|
内ひねり(内旋) | 棘上筋・棘下筋 |
外ひねり(外旋) | 肩甲下筋・棘上筋 |
2ndポジション(肩の高さまで腕を上げる)
1stポジションの状態から、脇を開いて肩の高さまで腕を上げ、同じように内側・外側にひねってチェックします。
痛み・可動域制限の出た動き | 制限因子となる筋肉 |
---|---|
内ひねり(内旋) | 棘下筋 |
外ひねり(外旋) | 肩甲下筋 |
3rdポジション(肘を直角に曲げる)
肘を直角に曲げ、前腕を胸の前に持ってきた状態で、内側・外側にひねって確認します。
痛み・可動域制限の出た動き | 制限因子となる筋肉 |
---|---|
内ひねり(内旋) | 小円筋 |
外ひねり(外旋) | 大円筋 |
どのように改善していくか?
上記のポジションチェックや、その他の検査をもとに、どの筋肉や関節に問題があるのかを特定し、適切な施術を行います。回復には数週間で改善する場合もあれば、数年かかることもあります。
まとめ
四十肩は40〜50代に多いものの、年代を問わず発症する可能性があります。自己判断で放置せず、まずは医療機関を受診しましょう。適切な施術と日常生活の改善を組み合わせることで、痛みを和らげ、肩の可動域を取り戻すことができます。
四十肩でお悩みの方はご相談ください!